EBITDA有利子負債倍率
- フリガナ
- いーびっとでぃーえーゆうりしふさいばいりつ
ローカルベンチマークによるEBITDA有利子負債倍率は以下の計算式で計算される。
EBITDA有利子負債倍率 | = | 借入金-現金・預金 |
営業利益+減価償却費 |
EBITDA(Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization)は、利払前、税引前、減価償却やその他の償却費計上前利益をいい、営業活動によって得られる税引前キャッシュフローを示す指標である。簡便的に、営業利益+減価償却費で計算される。
借入金残高をEBITDAで除することで求められる経営指標がEBITDA有利子負債倍率である。これにより事業から得られるキャッシュフローの何倍の借入を行っているかを示す指標である。
【解説】
・EBITDAとは
EBITDAに似た利益概念としてEBIT(Earnings Before Interest, Taxes)がある。EBITは、利払前、税引前利益をいい、資本構成による支払利息の影響や、国や規模による税率の違いの影響を除いた、事業から得られる純粋な利益を示す指標である。
このEBITに非現金支出費用である減価償却費やその他の償却費を足すことで、事業から得られるキャッシュフローを示すのがというのがEBITDAである。
・EBITDA有利子負債倍率の良し悪し
EBITDA有利子負債倍率は、銀行借入などの有利子負債とEBITDAとの割合である。これが低い会社は、事業から得られるキャッシュフローに比して借入などの有利子負債が少ないことを意味し、経営の安全性が高い企業といえる。
・実例検討
業種によって有利子負債を多く必要とする業種とそうでない業種がある。
具体的に実例を見てみると以下のとおりとなる。なお、指標算定の対象とした企業は、日本を代表する上場企業を選定している。
経営指標 | 製造業A社 | 建設業B社 | 卸売業C社 | 小売業D社 | 不動産業E社 |
---|---|---|---|---|---|
EBITDA有利子負債倍率 | 4.2倍 | -2.0倍 | 6.7倍 | -0.3倍 | 8.0倍 |
建設業B社と小売業D社はマイナスとなっており、借入残高より現金預金の保有が上回っていることを意味する。
不動産業E社の倍率が比較的高いのは、メインの事業であるビル賃貸事業の性質上、土地や建物の取得のために借入金にある程度頼らざるを得ない事情が推測される。